日本は「社会主義」国家か

鐘小石
                                  
 私が日本と縁を結んだのは勿論色々な原因がありますが、その中で一番大きな原因は、なぜ日本は戦後何十年しか経っていないうちに一躍して世界第二の経済大国になれたかという謎を解きたかったからです。

 私は1973年から日本語を勉強し始めて以来、ずっとその謎を考えてきました。その当時、中国はまだ「鎖国時代」だったけれども日本の先進ぶりはもう中国に知られていました。私は感銘を受けたと同時に、日本は人口が多く、国土が狭いうえに自然資源が乏しい。にもかかわらず、世人を驚かせるほどの猛スピードで近代化を実現したのです。それは一体なぜでしょう、その奇跡を作った国民は一体どんな国民でしょう、といつも関心を寄せてきました。

 その後、日本の方々と付き合っているうちに、みんなが口々に言っているのは先ず一に、明治維新が成功して、日本は封建主義から資本主義に変わって、工業化の道を歩んできたこと。二に明治維新以後教育に大いに力を入れてきたこと。三に植民地に成らなかったこと。四に勤勉、協力、和を大事にする伝統等々です。それらの理由を聞いて、なるほど説得力があるなあとつくづくと感じました。

 1986年に日本に来て、自分の目で日本を観察する機会が出来ました。観察が深まれば深まるほど納得の行かないところが出てきました。日本の企業は大体「年功序列」(中国では「論資排輩」と言う)、「終身雇用」(中国では「鉄飯碗」と言う)、ボーナスも何ヶ月分かの給料というような均一化を取っています(中国では「平均主義」と言う)。これらのものはみんな社会主義的な性格を持っています。しかし、社会全体は資本主義的な市場経済です。中国の経験から見ると、社会主義的な性格を持てば能率が低下するに決まっています。ソ連、東欧などの社会主義国も同じですが、日本だけが違います。社会主義と資本主義という二つの相反する制度を上手く融合できたのは、世界中を見ても日本だけです。ですから日本は成功して、世界第二の経済大国に成ったのです。日本の資本主義制度の中にはかなりの社会主義的な部分があると言っても過言ではないでしょう。ですから日本は「社会主義国家」だと言う論調まで出ています。私はこの論調に賛成しません。日本は本質的には資本主義だと思っていますが、この両制度の見事な融合は一体どうやって出来たんだろうかと何時も不思議に思っています。皆さんのご意見を聞かせてくださいませか。

 ご回答をお楽しみにしています。それでは!
                                     
                         (2003年1月1日)
                                 




中日文化交流
情報更新は2003年4月3日



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