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2008年2月の優秀答案当選者5名: ★施栄濤(埼玉県志木市)、★森岡洋子(滋賀県近江八幡市)、山田藤江(静岡県伊東市)、村上富夫(長崎県佐世保市)、大下みよ(和歌山県有田市) 「先生と私」の5:その時の私は恐ろしさの塊と言いましょうか、または苦しさの塊と言いましょうか、なにしろ一つの塊でした。石か鉄のように頭から足の先までが急に固くなったのです。呼吸をする弾力性さえ失われたくらいに固くなったのです。幸いなことにその状態は長く続きませんでした。私は一瞬間の後に、また人間らしい気分を取り戻しました。そうして、すぐしまったと思いました。先を越されたなと思いました。しかしその先をどうしようという分別はまるで起こりません。恐らく起こるだけの余裕がなかったのでしょう。私は腋の下から出る気味の悪い汗がシャツに滲みとおるのをじっと我慢して動かずにいました。Kはその間いつものとおり重い口を切っては、ぽつりぽつりと自分の心を打ち明けてゆきます。私は苦しくってたまりませんでした。恐らくその苦しさは、大きな広告のように、私の顔の上にはっきりした字で貼り付けられてあったろうと私は思うのです。いくらKでもそこに気のつかないはずはないのですが、彼はまた彼で、自分のことに一切を集中しているから、私の表情などに注意する暇がなかったのでしょう。彼の自白は最初から最後まで同じ調子で貫いていました。重くてのろいかわりに、とても容易なことでは動かせないという感じを私に与えたのです。私の心は半分その自白を聞いていながら、半分どうしょうどうしようという念に絶えずかき乱されていましたから、細かい点になるとほとんど耳へ入らろうか、私はそうな利害を考えて黙っていたのではありません。だだ何事も言えなかったのです。また言う気にもならなかったのです。昼飯の時、Kと私は向かいに合わせに席を占めました。下女に給仕をしてもらって、私はいつにないまずい飯をすませました。二人は食事中もほとんど口をききませんでした。奥さんとお嬢さんはいつ帰るのだか分かりませんでした。(夏目漱石 続く) 訳文:《先生和我之五》:那时我的全身可以说变成了一块恐怖的硬疙瘩,或是变成了一块痛苦的硬疙瘩了吧,总之是块硬疙瘩。从头顶到脚尖,我一下子变得如同石头或钢铁般的坚硬。坚硬到了连呼吸的弹性都失去了的地步。幸运的是这种状态并没有持续很久。一瞬之后,我又恢复了人样。接着,马上又感到完了,觉得被他抢先一步了。但是却完全弄不清这以后该怎么办。恐怕是连弄清楚的悠闲劲也没有了吧。我默默地忍受着腋下冒出的粘糊糊的汗水渗透衬衫,一动也没动。其间,K和平时一样,一张开难开的金口后,就一句一句地倾诉起自己的心情来了。我痛苦得不堪忍受。我想恐怕那种痛苦象巨幅广告似的,字迹清楚地贴在我的脸上吧。即使是K也一定不会没感觉到这一点,但他因为将注意力全集中在自己的事上了,所以没有空注意我的表情之类的吧。他的表白用一种语调由始至终,沉重而又迟缓,却给我一种很难轻易改变的感觉。我的半颗心在听着他的表白,同时另半颗心不停地被怎么办怎么办的念头搅得乱纷纷的,因此一些细枝末叶的地方几乎没听进耳朵里去。我并不是考虑得失利弊而沉默着的。只是什么也不能说。另外也不想说。午餐时,K和我对面而坐。女佣伺候我们吃饭,我吃了一顿平生未有的难吃的午饭。我俩在吃饭时几乎没说过话。不知太太和小姐何时回家。(夏目漱石
未完待续)(翻译者 施荣涛)
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